美山の風景(その7)仲越(3)


2008年5月


  仲越の最終回である。このような山奥に人が住んでいるとは唯々驚くばかりであるが、かつては林業でそれなりに栄えたのであろう。小中学校が廃校となった時の児童数25名がそれを物語っている。あと10年か20年、必要な資料は今のうちに集めておかないと何も分からなくなってしまうであろう。

 
 県道200号終点から300mほど南へ戻ると、西側の山へ入って行く分岐がある。
(写真は北から南を見ている)










 分岐(結構勾配がきつい。積雪や凍結状態では絶対に車は上がらないと思う)を上がるとすぐに仲越の集落、数件の家がある。
 地図を拡大してもらうと、番地が入っているので分かると思う。
 












 
 いずれの家も廃屋、という訳ではなく、手入れはされているようである。
 ちなみに、手前の家には衛星放送の受信アンテナが立っていた。この谷合では地上波は届かないだろうな、と思って不図携帯電話を確認したら、やはり圏外であった。(実際、神崎辺りまで下らないと携帯は役に立たない)
 

















 
公民館は半分倒壊しかかっていた。手前の柱に付いている手回し式のサイレンはまだ生きているのだろうか?


 後日知ったのだが、この仲越集落は近年、行政側の指導により冬季無人集落となったようである。この辺りは積雪地帯(家屋の軒につっかい棒がしてあるのがわかるだろうか)であり、唯一の生命線である県道200号が雪で閉ざされないように、行政は数軒の為に神崎辺りから更に10キロ、除雪をする必要があったのだ。過疎と税収不足に悩む地方自治体にとっては、負担だったのだと思う。


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