広見林道と険道16号


2010年4月11日
 

  やはり大自然は手ごわかった…

 大自然の前には成す術も無く一敗地にまみれた広見林道(昨年)と険道16号(一昨年)。
 当時は単独の探索だったが、今回はKDX氏が同行してくれることになった。昨年からバイクにリターンしたKDX氏、近頃はメキメキと腕を上げて酷道徘徊が病み付きになっているらしい。
 氏、たっての希望でもあるし、こちらとてリベンジの機会をうかがっていたのであるから渡りに船とばかりに、再チャレンジを決めたのである。

 広見林道までの道のりは割愛。昨年同様東側、猿投神社からのアプローチである。


 昨年、それ以上の進出を断念した東端である。
 ほぼ垂直に切り立った岩、その高さ約50cmは昨年と変わらない。ここは二人ともあっけないほど難なく通過。やはり、昨年一年間の廃道探索は伊達ではなかったと言いたいところだ。確実にスキルはアップしているのである。









 昨年の関所(笑)を越えてから10分、凄い奴が現れた。これが噂の広見林道名物、「団九郎の壁」である。この写真では全く全容が掴めないだろうが、まずはよく見て欲しい。写真右手にあるのは、元々の道の路肩にあった擁壁である。











上左の写真では上がれそうにみえるが、なかなかどうしてそうはいかない。実際のところ、とてもじゃないが上がれるラインが存在しないのだ。



 二人してどうしたものかと考えあぐねていたら、そこへ凄いヤツが現れた。史上最強(狂)の4駆、ジムニー猿投スペシャルである。

 噂には聞いていたが、本当にジムニーでここを通過するやつがいたとは。しかも、どう見てもスペシャルに改造してある。
 運転していたのは私と同年輩のオヤジだが、しかし、車の連中は「スタックしたらどうしよう」とか「対向車が来たら」とか、考えないのか?
(実際この日、数台のジムニーを見た)



 4つの車輪が別々に動く(独立懸架というやつだろうか)様を見て、二人ともすっかり毒気を抜かれてしまった。東側からのアタックはここまでとし、昨年同様、猿投グリーンロードを通って西側、愛知工業大学側からアプローチすることにした。


 ここが昨年通過を断念した西側のポイントである。路面の状況は昨年と変わっていない












 しかし今年は意を決し、一気に駆け上がって見ることにした。画面中央、何となくある黒いのが幾多のツワモノのタイヤの跡である。スタンディングからフルスロットルで急発進、一気に駆け上がった。








 この後は、写真は無い。上のような(あるいはそれに近い)路面が団九郎の壁まで続き、それらをクリヤするのに必死で写真を撮る余裕が無かったのである。
 肝心の団九郎の壁は、降りるとなるとまるで前転でもしてしまいそうな急勾配。怖かったというような生易しいものではなかったが、何とか降下。こうして2年越しだった広見林道の制覇は、同行してくれたKDX氏のおかげで何とかなったのである。

そしてこれも広見林道。昔はちゃんとした道だったのだ。


 さて、広見林道を突破したので勢いづいて、次は険道16号である。
 険道16号のハイライトは、岐阜県多治見市と愛知県犬山市にまたがる県道犬山多治見線が中央道と平行して走っている不通区間にある。雨により路盤が削られ、深いV字谷を形成し、あらゆる種類の乗り物の進入を拒んでいる道である。


 ここがその不通区間の始まり、東側(多治見側)。東からのアプローチとしたのは、この道、西側へと下っているからである。所々にある段差も全て西が下り、間違って逆から入ろうものなら延々とバイクを押し上げ続けなくてはならなくなるのだ。

(ちなみに、マピオンの地図は間違っている。西側につながっているように描いてある方とはつながっていなくて、途中で切れている方とつながっているのである。そして本当に厳しいのは、この道が中央道を離れ、北へ向かって伸びている200mの部分なのだ。結論を先に言うと、その200mに1時間半を費やしたのだ)




 通行不能の看板を過ぎると、険道16号がすぐさまその牙を剥き出しにする。左のフェンスの向こうは中央道だ。












 かなり古い、30年くらい前の三菱ミニカ。当時は入ってこれたのだろう。写真の奥ではKDX氏が悪戦苦闘している。











 この直後、KDX氏にトラブル発生。何とチェーンが外れ、ドライブスプロケットとスイングアームの間に挟まってしまったのである。

 車載工具でできる範囲で弄ってみたが、如何ともしがたい。私も同様のトラブルに遭ったことはあるのだが、そのときはチェーンのクリップを外し、かみこみを外した。が、氏のチェーンはエンドレスである。万事休す。

 鳩首会談、とりあえず健全な私のマシンだけでもここから脱出させた上で、救助を呼ぶことにした。










 ところがさすがは険道16号、そうは問屋がおろさない。V字谷は進むと共にいよいよ深くなり、ついにはマシンが挟まってしまいニッチもサッチもいかなくなった。
 このようなところが数箇所あり、その度に押したり引いたり持ち上げたり。とてもじゃないが一人では脱出不可能。二人いてよかった・・・。
 後方にはマシンを奪われ、更に押し引きで精も根も尽き果てかけたKDX氏が写っている。


 



 南北の直線区間200mを1時間半かけて脱出し、進路を再び西へ向けたところ。
 ここまで出てくるつらさと言ったら、広見林道の比ではない。二度と来るもんか・・・








 この後、二人乗りで近くのバイク屋まで行き、対処方法を教えてもらった。噛み込んだチェーンは、出る方向へ貫通ドライバ(又はタガネなど)で叩くしかないらしい。
 それからKDX氏の自宅まで戻り、工具を持って放置してあるKDXを現地で修理。そして再びあのV字谷を押したり引いたり持ち上げたりして脱出。何とか家に帰り着いたのは午後11時だった・・・。


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