広見林道


2009年4月18日
 

  大自然の力の前には為す術も無く…

 午後からは愛知県尾張旭市にある森林公園で所用。
 ならば、とついでに午前中を予てよりの懸案事項、愛知県最狂の呼び声も高い広見林道の走破に充てることにした。林道の西端から森林公園まで約10km、早目に林道へ入れば遊ぶ時間はたっぷり取れるはずである。

 
 0700前に自宅を出発。犬山から最近無料になった尾張パークウェイ、小牧東インター道路(125ccは20円!)経由で春日井市に入り、そこからは空自高蔵寺分屯地の前を通る愛知県道53号経由で瀬戸市へ抜け、R155と愛知県道33号をたどって藤岡へ到達。藤岡からはR419を南下して広見林道の東側起点である猿投(さなげ)神社へ。
 猿投神社(左写真)への到着は0900、ここまで2時間ちょっとである。




 広見林道へは猿投神社の右手の道を上がっていく。
 幅は1車線前後、荒れたアスファルト路面がダートの始まりまで続いている。
 なお、この後ダートに入るまでは名古屋近郊という事もありハイカーが非常に多い。このレポートを読んで行ってみようと思い立った単車・車の諸兄は決してこれらの人に迷惑をかけないようにして欲しい。少なくとも彼らの傍を通過する時は、徒歩程度にまで速度を下げるべきである。
 彼らの逆鱗に触れて諸車通行止めにされてしまっては元も子もない(わかっているとは思うが、世論は徒歩の味方である。加えて言うと、車はともかく、バイクは反社会的な乗物というのが大人の常識である)。


 上って行く途中にあった水車小屋のレプリカ(?)。トロミルといい、この辺りの山から取ったサバ土をふるいにかけて、サバの部分だけに水を加えて2昼夜、このトロミルで回転させて泥状にするらしい。
 出来上がった泥は乾燥させて焼き物、即ち瀬戸物(隣は瀬戸市)の原料となるのだ。
(以上、受け売りなので決して「サバ土」って何?とか質問してこないこと。知りたければ自分で調べましょう)





 林道は鬱蒼とした森の中を走っていて、視界の開ける所は無い。ただ一ヶ所だけ僅かに開けた場所があって、そこからの風景が左写真である。
 中央に見えている道路は東海環状自動車道の猿投トンネル南側であり、霞んでいて良くわからないが中央には豊田藤岡ICがあるはずである。







 途中、思わず入ってみたくなるようなダートもあったが、そこはそれ、時間もあるのでぐっとこらえ、猿投神社から30分でこの三叉路に到着。標識の右下を指している矢印が今来た方向、直進は団九郎の岩屋、左が猿投七滝である。









 七滝方面は舗装だが、目指す広見林道の本線は直進、団九郎の岩屋方面。ご覧の通りのダートである。
 ほんの最初の部分だけは、よくあるダートだったのだが…。





 道がV字に掘れている…。
 だが、明らかに車のワダチがついている。逝ったのか??

 ここらへんはまだ余裕だったが…










 だんだんと、道とは呼べない「何か」になって来た…。
 ヘルメットの下では、そろそろ冷や汗が流れ始める。





 ここで進撃中断、前方を斥候する。分岐から5分の位置である。
 奥に見えている岩がとてもいやらしいのである(画像クリックで拡大)。
 岩の段差は50cmかそれ以上、しかも垂直に近い角度で立っている。
 迂闊に突っ込んで転倒ならともかく、腹がつかえて亀の子状態になったりしたら目もあてられない。午後からは大事な用事が控えているので(ならこんな所で遊んでるな、というツッコミはなしでお願いします)、時間は限られている。止む無く、 進撃中止、撤収!  …orz



 さっきの分岐まで戻って、今度は猿投七滝方面を下っていく。狭い荒れたアスファルトであることは、分岐までの道と同じである。


 下りの途中、こんなものがあった。どうやらレプリカではない、本物のトロミルらしい。










 山を下って、今度は猿投グリーンロードを八草IC方面へ向かう。ちなみに通行料は30円!125ccは本当にお得である(それ以上の排気量ならこの10倍取られる)。


 八草ICからは愛知工業大学の前を通って広見林道の西側入口を目指す。
 確かに東側からのアタックは断念したが、広見林道の踏破自体はあきらめていない。登れなかったのなら、逆方向から来て落ちればいいのである。

 ほら、看板もこっちへおいでと云っているではないか。







 このコンクリートブロックから向うで、広見林道がその牙を剥き出しにする。

 それにしても東側入口といい、ここといい、進入禁止の看板のやる気の無さは確信犯的である。もっとも、我々オフ者にとってはその方が良いのだが。








 西側からのアプローチも東側からと同様、次第に道が掘れて行く。
 だがしかし、普段走っている岐阜の山の中と違って、ここは転倒の可能性はあっても転落の危険性は無いので、随分気楽に走ることができる。









 だんだんとクレバスが本格的になって来た。この先は…






 …。
 車の轍が残っていたりするが、私の腕ではここまでである。やんぬるかな…。

 またしても、進撃中止、撤収! …orz

 お分かりかと思うが、左右の崖の上(?)が元々の路面の高さである。げに恐ろしきは自然の力…。






 写真だと未だ行けそうに思えるかもしれないが、実際は結構な勾配がついているところもあり、私の腕では…orz

 ちなみに、写真の奥に小さく写っているのがKDXである。本来の路面は現在の路面の2〜3m上であろうか?








 


 しっかし、こんな所を車で走っていて、対向車が来たらどうするんだろう…。


 

 ちなみに、クレバスの先は左写真のように1m〜角の岩がゴロゴロしている。写真左手に見えているU字溝の高さが本来の道の高さと思うのだが…

 帰宅してからGPSの記録と地図を付きあわせてみると、この位置は東海環状自動車道路の猿投トンネル直上を僅かに東へ越えた所であり、東側からのアプローチで撤収した位置まで1km弱であった。





 この後、ついでに海上(かいしょ)の森(愛知万博でちょっと有名になった)の林道へ行ってみた。以前(恐らく万博以前)は10数キロに渡るダートが楽しめたらしいが、今では面白そうなダートの入口には必ずゲートがあり、しかも「マウンテンバイク、オートバイ、車の進入禁止」といった張り紙が至る所に貼られている。仕方が無いのでほうほうのていで退散、レポートする価値は全く無い林道であった。バイク(やマウンテンバイク、車)では行っても無駄なので行かないように。ハイキングならいいけどね。

 それにしてもこの森、昔は本当に誰も来ない所だったらしいのだが、愛知万博で俄に脚光を浴びて以来、整備されて煩い事を言われるようになったようだ。
 しかもこの日は、ハイキングの人が多かった(=監視の目が多い)。本当に都会というところは、山の中にまで人が溢れている。岐阜の林道では、人よりも野生動物との遭遇確率の方が随分と高いのだが。こんな半人工的な所を歩いて、「自然と親しんだ」とか言うのかな?

 剥き出しの自然は野生で、危険なもので、故にいつもチャレンジングなものだと思っているのだが。海上の森なんて、いつものダートに比べれば箱庭みたいなものなんだけどね。



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