高倉峠と冠山峠
2009年7月30日


 思い立って高倉峠と冠山峠を越えて見ることにした。天候は曇り、このような日に山へ行くとはやや無謀かとも思ったが、何とか無事帰って来ることができた。

  岐阜と福井は県境を接しているのだが、奥美濃の山々に阻まれ、まともに車が通れるのは越前街道(R158)だけである。尤も、それとてほんの少し前までは油坂峠という難所を越えなければならなかったのだが。
 今の油坂峠には立派なバイパスができていて、車にとってはずいぶんと楽な峠になったのだが、如何せんそれは自動車専用の道路であり、KDXの如き125cc以下のバイクにとっては、油坂峠は旧の通り難所のままだ。凍結が予想される季節に近寄りたくなる道ではないのである。

 さて、岐阜から福井へ抜ける道はあと三つ。そのうちの一つはいつぞやの温見峠、残る二つが今回の高倉(こうくら)峠と冠山峠である。
 かなり昔、冠山峠の方は抜けた記憶があるのだが、高倉峠の方は怪しい。地図を見ていると1日で両方回れそうだったので行ってみることにした。

 峠へは揖斐からR417を北上するのだが、新しくできた徳山湖畔の道は恐ろしく良い。KDXではアクセルを開け切ってしまいそうだが、トンネルから出たところでの横風が怖いのでそうもいかない。
 なぜこんな所にこれほどの道を造る必要があったのかは疑問だ
が、まぁいい、それはまた別の話だ。
 しかしその道も徳山湖が始まる最奥の駐車場まで。そこから先は単に舗装しただけの林道然としたものに変わってしまう。
 駐車場を過ぎて川筋が左から右へ変わる、ここが林道の基点らしい。
 手前の白い看板には塚冠山林道、奥の青い看板には林道塚線と書いてある。ハテ、ここはR417の続きではなかったろうか?


 
 数分走ると分岐が現れる。右がR417(青い看板には冠山林道と書いてある)、冠山峠を越えて福井県池田町へ至る道、左は高倉(こうくら)峠を経て同じく福井県今庄町へ至る道である。

 今日の目的はここから時計回りに一周して再びここへ戻ってくることだ。まずは左、高倉峠を目指す。








 で、いきなり途中の写真だが、これは覚書き。画面下から右へ曲がって行くのが本線で、左は支線(?)のダートである。地図を見ると行き止まりのようだが、そのうち入り込んでみたいものだ。










 目指す高倉峠はあの向こう、山肌が削られて赤土が見えているところが道だ。どんな雰囲気のところを走っているのか、これで分かってもらえると思う。これでも一応、岐阜と福井を結ぶ重要な道路である(?)。



 分岐から1時間、ようやく高倉峠(標高950m)に到着。かつてはダートだったようだが、今では全線舗装となっている。
 ただ、ここまでの道はせいぜい1.5車線、急勾配のつづら折れなので、ダートのままではとてもじゃないが走れたものではなかったと思う。







 


 右は峠からの風景。今年は梅雨明けが遅く、この時点で確かまだ明けてはいない。同じくらいの標高の山に雲がかかっているので、帰りは非常にまずいことになっているかもしれない。



 峠から下っていく途中で倒木があった。チェーンソー(?)で切った跡も生々しいので、つい最近までこいつが道を塞いでいたのかもしれない。











 峠を降りてここまで来た。分岐から2時間近くかかっている。当然本線は左だが、右には「国道476号線 未開通道路 通り抜けできません」とある。ならば行かねばなるまい(笑)












 5分も行くと標識通りに未開通だった(あたりまえか)。現在造成中であり、奥の重機の向こうには道は無い。


 踵を返してR467を西進する。今庄町まで出たらR365を少しだけ北上してすぐに福井県道203号線池田南条線へ入る。


 地図上では途中から道がなくなっているが、ちょうどその辺りからダートが始まる。幅は1車線ほど、比較的荒れてはいない。











 峠には立派な山小屋があった。こういった施設で何よりありがたいのは屋根があること(ここの場合は高床式)である。雨が降っても火がおこせるのは、非常にありがたい(これは後日の中国地方キャンプツーリングで嫌と言うほど経験した)。ただし、ここの山小屋には水道設備が無いので注意である。



 峠を下ってしばらく行くと、先程行き止まりだったR476の東半分への入口があった。「この先通行止」と書いてあると、行かざるを・・・(以下略)。

 で、結局、道は最後には藪の中へと消えていった。西側からは開削しているのだが、東側からは全く工事を行ってはいなかったのである。あきらめてUターン、元の分岐まで戻ってR417を目ざす。






 300m先を右へ分岐するとR417である。が、その下には「林道 冠山線」と書いてある。R417はつながっていることにはなっていないのか?











 分岐の看板から30分後。あの山を越えなければいけないのだが先はまだまだ遠い、というよりも文字通り暗雲垂れ込めてきた。大丈夫か?










 道はやはり1車線、全線に渡って舗装されている。5月に走った温見峠は全線舗装と言いながらも一部コンクリートの簡易舗装であったので、それに比べれば随分とましである。ただ、コーナーと勾配のきつさはいずれも劣らない。


 ようやく上り始めた。山肌を縫うように走っている道が見えるだろうか?それから行く先はあそこである。












 分岐から小一時間で冠山峠に到達、標高1050mである。峠を表す大きな石碑は、池田町、揖斐川町、徳山村、藤橋村と書かれた小さな碑に囲まれている。

 写真の背景が白いのは露出のせいではない、山霧がすぐそこまで迫って来ているのだ。










 ごらんの通り(→)である。霧に巻かれる前に下りてしまわないとちょっと面倒なことになる。




 とか何とか言いながら、のんきに写真を撮っていたりする。中央に見えているのは徳山湖である。冠山峠方向から見た徳山湖の写真はまだ少ないのではないだろうか。
















 5時間かけてようやく出発地点の分岐(2枚目の写真の場所)へ戻ってきた。
 山霧にまかれてしまうこともなく、まずは一安心。今日の予定はこれで無事終了である。









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