ギフチョウとカタクリ 所用があり休暇を取ったのだが、用事は午後から。
2009年4月7日
私にとっての1年のスタートは、ギフチョウの採集とカタクリの花である。幸い天候にも恵まれて、両方とも達成することができた。
天気もいいし、季節も良い。
ならば午前中は毎年恒例、昆虫採集のシーズンインを告げる行事「ギフチョウ採集」である。
自宅から自転車で5分、秘密の採集場所に到着。
(注:自転車で5分でこれって、どんな田舎だ!と思わないこと)
ギフチョウは春先(桜の頃)に里山の北斜面、半陰半陽のジメジメした少しだけ開けた場所で、天気の良い風の無い日の午前中に採集できるのである。これだけ条件が揃う事は珍しいのだが、条件さえ揃えばごく普通に採集できるのである。この日はまさにそういう日であった。
下の小道で待っていても良いのだが、遭遇確率を高めるために斜面(上写真の左手)へ登る。
左が斜面へ登った写真である。倒木が多く、例年に無く荒れている。これでは来年以降、発生するギフチョウが減ってしまうかもしれない(理由は後述)。
(上の)写真を撮っていると目の前を横切るチョウの影。網を広げる間もなく1匹採集である。現着からここまで4分、非常に効率が良い。条件が揃うとこんなものである。
この場所でのギフチョウ採集は、私にとってはシーズンインの儀式みたいなものなので、これ以上は採集しない。
近年、(何故か)保護のためギフチョウの採集を禁じているところが増えているようだが、前述の通り、条件さえ揃えば普通に採集できるのである。少なくとも網で採集しているようなレベルで、昆虫のような繁殖力の強い生物は絶滅したりしない(注)。
これはギフチョウの幼虫の食草、カンアオイ(の一種)である(画面中央と下の緑色のハート型の草)。
ギフチョウが前述のような場所にしかいないのは、この草がそのような場所にしか生えないからである。今年は倒木が多く、光の当りが悪そうなので、例年のように葉が茂るかどうか心配である。茂らなければ当然、ギフチョウの幼虫も食べるものが無い。
ゴールデンウィークが過ぎた頃には葉の裏に幼虫が付いていると思うので、発見したらまたここで報告したい。(その前に卵の捜索だな)
ちなみに、数年前に幼虫を育てたことがあるが、あまりにも食草の準備が大変(大食いである)だったので、その後は止めてしまった。
これはショウジョウバカマ。既に盛りは過ぎ、しおれかかってはいるが。
ギフチョウは紫色の花を好んで集まってくるので、この花にもよく来る。
数を採集するつもりは無いので早々に切り上げ、ついでにこれまた毎年恒例、カタクリの花を見に行く。
これがカタクリの花である。
カタクリ粉はこれの根が原料だが、最近はほとんどジャガイモのデンプンを使って作っていると聞く。
ギフチョウはカタクリの花を好むと紹介されることが多い。確かにショウジョウバカマと同様、ギフチョウの好む色ではあるのだが、その盛りはギフチョウの発生以前、桜の咲く前である。ギフチョウはむしろ桜の開花と共に姿を現す。少なくとも私の住む辺りではそうである。
この場所では、こんな感じでカタクリが群生している。
ここからもう少し奥へ行けばもっと大きな群生地があるのだが、自転車ではちょっと遠い(笑)
さて、ギフチョウも採ったしカタクリも見たし。私の1年はここからがスタートである。
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