横須賀隧道巡りツアー


2009年12月12日
 

 東京長期出中、折り良く横須賀隧道巡りツアーなるものが開催されたので参加してみた。私が参加したのは12日だったのだが、ツアー自体は5日にも行われ、その時の模様は新聞やテレビでニュースになったようである。

 横須賀、といえば軍港だが(そう思っているのは私だけ?)、その地形から小さな(短い)隧道、しかも当然だが古い(≒味のある)ものが非常に多い。
 にわか隧道マニアとしては東京長期出張中の身であることを利用して、巡ってみようかとも思っていたのではあるが、さりとてそうなると隧道の場所を自分で調べなくてはならず、それ程の時間が取れないのもまた事実である。

 ところが、である。たまたまネットを見ていると「横須賀隧道巡りツアー」というのがあるではないか!しかも案内はかの高名なヨッキれん氏、しかも横須賀市内の飲食店で利用できる「海軍カレー昼食券」付きで2000円である。海軍カレーだけでも数百円はするのだから、これは格安ツアーである。

 ところがそこはさすが東京、同好の氏はやはり多いとみえて、2〜3日逡巡している(休めるかどうか分からなかったのだ)うちに、予約が一杯になってしまった。

 キャンセル待ちを、と思い、毎日早朝(通常5時起床である)にネット予約をチェック。1週間ほど粘ったところでようやくキャンセルが出て、その瞬間に入り込むことができた。


 という訳で四苦八苦、苦労惨憺(?)の末に獲得したチケットを握り締め、当日の集合場所である京急追浜駅へ。












 さてツアーの結果は、というと、ご覧の通りただひたすら古くて小さくて狭い隧道を抜けて歩いたのである。その数、十数本。横須賀は海岸まで山が迫り、その斜面にへばりつくような形で家が作られていて、かつ、小さな山(丘というべきか)の向こう側へ行くために、このような隧道が古くから多数存在するのである。

 同じような隧道の写真が続いても仕方ないだろうから、左の向坂隧道を代表例として以下割愛。







 横須賀は本当に、斜面に家がへばりついているのである。左写真の如く、急勾配の階段の上に家があるのは特に珍しくない。大物家電もプロパンガスも米袋も、ありとあらゆる重量物もこの急階段を担がれて登っていくのである。




右の家など、崖の中腹、と言っていい位置に建てられている。どうやって建てた?という疑問もあるのだが、建てたものは仕方が無い。通常は手前に見えている急勾配の小道で上り下りしているのだろうが、当然、重量物の運搬はつらい。なので、モノレールが取り付けられているのがわかるだろうか?




 巡ったのは人用、車用の隧道ばかりではない。JR横須賀線の田浦駅にある鉄道用の隧道も見学した。それなりに古く、由緒ある隧道なのだが、それよりも(↓)









 駅は谷間にあるので、ホームの長さを延長することができない。昔は短い編成しかなかったのでそれでも良かったのだろうが、今では列車の一部が隧道の中に入っている状態で停車してしまう。これはこれで面白い風景だった。



 ツアーはJR横須賀駅まで歩いたところで終了。4時間の行程だった。











 ちなみにJR横須賀駅の周りには何も無い。造船所と海上自衛隊の基地しかない。本当の中心は京急横須賀駅なのである。


 米海軍の原子力潜水艦が修理のためドックに入っている。ここは確かユニバーサル造船だったか。米海軍は航空部隊(NAVAIRという。ちなみに艦艇部隊はNAVSEA)もそうだが、現地国の工場にこうやって修理を発注することが多い。

 極東米空軍や米海兵隊は、近年はそういうことはしていないのだが。









 こちらも同じく、米海軍のイージス艦。
















 ツアーでもらった海軍カレーの昼食券を使うべく、横須賀の中心、京急横須賀駅まで歩く。
 たった10数分の距離だが、がらりと雰囲気が変わる。米海軍基地があるからか、非常にバタくさい風景だ。ちなみに右の高いビルはBAY SQUARE YOKOSUKA。












 お目当てのカレー屋を探しつつ、ドブ板通りを散策。左は刺繍経験58年の大将ミシンししゅう店。軍、という組織はワッペンをよく作るので、米軍基地近辺にはかならずこういった刺繍屋(又はワッペン屋)がある。ちなみに横須賀の刺繍屋は、厚木までがテリトリーだ。










 KARAOKE BAR、Boot Camp(新兵訓練所)。とてもアメリカっぽい。





 米軍放出品の店。そーいや昔々、Dog Tag(庇に書いてある「米軍認識票」というやつ)を皆で作ったとき、注文したのはこの店だったか。












 横須賀維新、どぶ板食堂 Perry(笑)。たぶん左がペリーなんだろうけど、右の二人は誰だ?



 もらった昼食券は、指定された数箇所の店で使えるのだが、選んだのはここ、よこすか海軍カレー館。いや、何となく雰囲気でさw

 日本海軍では毎週土曜日の昼食にカレーを食したことから、それを指して「海軍カレー」といわれるようになったのだか、「海軍カレー」として決まったレシピがあるわけではない。現在の海上自衛隊でもそうなのだが、同じメニューでも艦によってレシピが違うのだ。だから、「海軍カレー」といってもいろんな味が存在することになる。
 ちなみにこの店の海軍カレーは、肉ジャガっぽい味。カレーとしては珍しい味で、美味しかったなぁ。この次横須賀へ行くことがあったら、また違う店の味を試してみようっと。



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