高尾山


2009年9月13日
 

 東京八王子にある高尾山は登山客数世界一である。だから、という訳ではなく、主目的は昆虫採集。結局、そっちの方は戦果無しだったが、それはそれとして登山自体は楽しめたのである。


 東京新宿から中央線で1時間ほど、高尾山は八王子市の西にある。標高は599m、岐阜の金華山が約330mであるから倍近く、奈良大阪県境の生駒山640mに近い高さである。また、東京近郊の整備された山ということもあって登山者数は世界一であるらしい。

 さて、そもそも高尾山へ登ろうと思ったきっかけは例のアカボシゴマダラである。中国から人為的に持ち込まれたと思われるこのチョウは、近年、神奈川から東京にかけてその生息域を広げている。高尾山近辺にも生息しているという話を聞いたので、ならばと採集行になったのである。また、やや遅い感なきにしもあらずだが、他の昆虫類も採集可能であろうし、何より天気の良い休日に出張先のホテルでまったりしていても仕方が無いのである。


 中央線高尾駅で京王線に乗り換え5分足らず、高尾山口駅に到着。











 ロケットのような形をした宗教施設(?)があったりして興味を惹くが、今日の本論は高尾山登山なのでとりあえず置いておく。





 高尾山への登山コースは幾通りかあるのだが、見晴らしの良い稲荷山コースを選択。












 高尾山へは登山道だけではなくケーブルカー、更にはリフトまで用意されている。写真はその駅前、朝早いにも関らず結構な人出である。











 低いから、登山者が多いから、観光地化されているからといって山をナメてはいけない。結構な坂と、そして足場は悪い。決して油断はできない。ただ、岐阜あたりの山とは違って、「熊出没注意」の看板がない分、気楽ではある。










 右は尾根伝いに出たところ。林の中であり、視界は開けない。




途中、1箇所だけ展望台があり、そこからの風景が左写真である。画面中央、遠くに新宿都庁が見えている。



 ケーブルカーの駅から1時間半、ようやく頂上広場についた。
 十三州大見晴台とあるが、駿河、甲斐、信濃、越後、上野、下野、常陸、上総、下総、安房、相模、伊豆、武蔵の国の代表的な山が見えるらしい。











 実際、この日は天気も良く、富士山(駿河の国)が綺麗に見えていた。


 この後、頂上で昼食。持参した弁当は朝ショップ99で購入した前夜の売れ残り160円である(爆)。いい時代になったものだ。



 高尾山中腹には薬師如来を本尊とする薬王院がある。開山は744年と伝えられているそうなので、本当ならば1200年余の伝統のある寺である。









 朱塗の社殿も見事なものだが、その壁面には写真のように極彩色に彩色された彫塑が施されている。そしてその模様は何となく支那風であり、京都や奈良には見られず、関東の湯島聖堂や東照宮にあるものと同列の思想が感じられる。やはり西国と東国は違う、といったところだろうか。



 高尾山は決して安直な山ではない。薬王院なぞ勾配の緩い所を選んで建てたのだろうが、それにしてもこの有様である。下りだから何となく降りたが、登りならば青息吐息だ(笑)












 高尾山はまた飯縄権現を守護神として祭る修験道の道場でもある。そこかしこにご覧の通り天狗がいたりする。




 暑くなってきたので薬王院前の茶店で休憩、冷やした胡瓜に味噌をつけたモノを買い求め食す。鮮烈な歯ごたえと僅かな苦味が美味。夏は冷やした胡瓜に限る?











 下りは人通りの多い1号路を下っていく。途中にはケーブルカーの駅、リフトの駅がある。駅の上はビアガーデンになっているようだが、9月では季節外れ、営業していなかった。


 




 








 1号路の途中から獣道のような分岐へ入り、甲州街道(国道20号)へ出た。行きはJR高尾駅から京王高尾山口まで電車に乗ったのだが、地図を見るとたいした距離ではないので歩くことにした。
 が、これは失敗。交通量の多い無味乾燥な国道沿いを歩く羽目になっただけであった。

 30分ほどでJR高尾駅に到着。駅舎は和風の凝った造りであった。





夕刻、ホテルに到着。本日一番の功労者は、この日のために100均で急遽購入した帽子と、ホテルのタオル。
残暑の厳しい一日でした、お疲れ様w 


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