餘部と鎧再訪記
2009年6月14日
美しい山陰の海と、そして風景を楽しみにまたもや遠征をした。何度行っても飽きることは無い。 |
昨年は二度、山陰へ行った。
一度目は内陸の隼駅だったのだが、二度目は海岸沿いの餘部鉄橋。これでいっぺんに山陰の海に参ってしまった。少なくとも、春から秋にかけての穏やかな山陰の海はとても美しい。そして餘部と鎧、双方とそれから道中の風景に少々の思いを残していたので、それを確認する作業として三度行ってみる事にしたのである。
暗い写真で申し訳ない。これも再度訪問して写真に収めたかった風景(その割にはぞんざいな写真、というツッコミは無しでお願いします。撮影するアングルが非常に限られた地形なので)、北近畿タンゴ鉄道宮津線の谷川橋梁である。
宮津線は旧国鉄から第三セクターの北近畿タンゴ鉄道へ引き継がれた路線であり、レンガ造りの、古い、趣のある構造物が残っている。この橋梁もその円筒形の台座はレンガ造りである。
谷川橋梁を越えて少しだけ北へ進んだところで左手に穴を発見、早速突入する(ダートっぽく見えたのでハヤブサは手前で待機)。今回初めて気付いた穴であるが・・・
穴の背は低い。2m無いと思われるが、轍があることから軽トラは行き来しているようだ。真っ暗なので、どれほどの長さがあるのかさっぱり見当がつかない。
と思ったら、実は道はV字になっていて、その底が穴の入口だったのである。どうりで向うが見通せなかったわけだ。実際の長さは20m程度だろうか?
穴の向こう側。作業用の林道らしい。今日はハヤブサなのでこれ以上の探索は無し。
最初、なぜこんな所に穴が、と思っていたのだが、実は北近畿タンゴ鉄道の下を通るアンダーパスらしい。地形図を見ると線路を通すためにその部分だけ盛土をしてあるように見える。他所の地形との兼ね合いだろうか。
山陰の海岸が近づいてきた。山陰と云えば名物はカニである。カニ将軍も真っ青の巨大ガニが出現した(笑)
右写真は道すがらにあった巨大LAWSONである。普通と違ってログハウス風(?)になっている。奥はテラスで、購入した商品を食べることのできる広いスペースがある。そして最も?なのはサイロ風の2階部分。客がそこへ行ける訳でもない、倉庫に使っている風情も無い。全くのデザインだけなのだろうか?
これまた道すがらにあった香住高等学校。巨大な船のスクリューが校門前に飾られている。ここの学校は水産系の学科を持つらしい。その関係で飾ってあるのだろうが、恐らく模造品ではないかと思う。羽根表面の加工跡が大雑把過ぎるのと、スピンナの形状がおかしく思われる。
8ヶ月ぶりの餘部鉄橋が見えてきた。遠目には変わり映えしないように見えるが…
近づいてみると、元の鉄橋に寄り添う形でコンクリート製のブロックが取り付けられている。幅からして複線のようにも見えるが、前後単線なのでそういう訳でもないだろう。
餘部鉄橋前の海の風景。この鄙びた味わいが、山陰の海である。
(バス停と海は鄙びているが、手前の国道は割合に交通量が多い。鳥取と丹後を結ぶ幹線道路だからだろう)
餘部鉄橋を過ぎたら県道へと入っていく。今日の目的(その1)はその先にある。
県道に入ってすぐ、振り返って海側から餘部の海岸を撮ってみた。写真右端に少し写っているのが餘部鉄橋、中央やや右の山中に見えているのが山陰本線のシェッドである。海側から見た山陰本線はほぼこのような風景が続くのだろう。
途中、一見何の変哲も無い入江に見えるが…(写真をクリック)
写真中央に漁師小屋、海に面した滑りの上には小さい漁舟が一艘。滑りをたどって海へ落ちる所には防波堤らしき横一文字の構造物、自然の物ではなかろう。更にその先には浮標があるらしく、海面上に小さく赤い旗が立っている。しかし辺りは見ての通りの断崖絶壁、小屋の建築資材やコンクリート類はどうやって持ち込んだのだろうか?
県道の分岐から約3キロ。細い曲がりくねった道を走ってたどり着いたのは御崎、平家の落人伝説のある集落である。そしてこれが今日の目的(その1)、余部小学校御崎分校。1〜3年生は通年、4年生以上は県道が雪で閉ざされてしまう12月〜3月の冬季のみ通学する。下級生は2名、冬季のみ通う(といっても小さい集落なのでごく近所)上級生も2名だけの小さな学校である。こういう小さな学校の雰囲気が好きで、わざわざここまで来たのだ。
右写真は分校の小さな校庭から見える海、日本海である。
御崎は10数軒の集落であり、中国山地が海へ落ち込むその途中の斜面にある(2枚前の写真を参考)。当然平地は無く、ごく僅かに猫の額ほどの畑があるだけだ。標高は恐らく100m程、海岸へ降りて行く徒歩道があるようである。
産業は漁業かとも思うが、よくわからない。山村の雰囲気は、無い。
この写真から、御崎集落のある斜面の傾斜がわかるだろうか?ちなみに、ハヤブサの前方にあるのはバス停、余部方面からやって来て終点である。時刻表では1日3本のバスがあるようだ。
右写真から、集落が割合に高い所にあることが分かると思う。
ところでこの時、妙な事に気付いた。ハヤブサのマフラー下のカウルが垂れ下がり気味のような気がする…
本来であれば一直線になるはずのカウル下面。だが、そうなってはいない…
あーっ! ネジが無いっ!! そういえば昨日、カウルを外して整備した後にネジを締めた記憶が無い…。
4ヶ所のネジのうち、幸いにも脱落したのはこの1本のみ。後は仮留めの状態でついていた。
この部分のネジはHEXである。そして、本来であれば車戴工具にHEXは入っていないので締めることができないのだが、そこはそれ、このような場合のために追加工具として備えておいたのである。備えあれば憂いなし(実は以前、出先でシートを外す必要に迫られた。そして、シートを外すにはHEXが必要だったのだが誰も持っていず、非常な手間がかかったのである)。
御崎の集落から少し西へ行った所にある余部埼灯台。日本で最も高い所にある灯台であり、水面から灯火まで284mだそうだ。
もう少し西へ行くと鋸岬。
それを境に手前が香美町、向うが新温泉町である。
鋸岬の謂れは…、見ての通り。
鋸岬のすぐ西にあるこれまた不思議な形の岬(?)。先端から1/3くらいの所に洞門が口を開いている。
以下はその先にある漁港三尾の、東側の集落の風景。
傾斜鉄道のうち、貨物を専門に運ぶものがインクライン、旅客を運ぶものがケーブルカーである。 |
21時半頃、無事帰宅。日没後のR303ってそりゃあもう虫が多くって…
(虫の苦手な人は↓クリックしないで下さいw)
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