暗峠

2009年5月10日


 近畿屈指の酷道、R308暗峠へ行ってみた。過去何度となく通過したことのある道ではあるが、温故知新、ホームページのネタ収集のために赴いたのである。

 奈良と大阪を隔てる生駒山地を抜ける道は幾つかあるが、その中でも古来より使われてきたのが暗峠(くらがりとうげ)、現在のR308である。
 狭隘、急勾配、石畳など、酷道としての必須アイテムが満載であり、であるが故にその情報はWeb上に氾濫している。筆者自身も、過去何度と無くこの峠を通過している(勿論興味本位で)のであるが、今回ついでがあったので(何のついでかは内緒w)ホームページのネタ収集という意味で何度目かの訪問をはたしてみた。


 今回の旅の起点はここ。奈良市中町の砂茶屋交差点である。写真は北を向いていて、この交差点を左折(西進)すると、暗峠へ続くR308である。











  が、左折方向の標識は点線である。のっけからこれでは、先が思いやられる…




 躊躇している場合ではないので、有無を言わずに左折(笑)。10mほど先にある旧道を横切ると左写真のような風景となる。畦道にしか見えないが、れっきとした国道であることを左の電柱にくくりつけられたオニギリが主張している。ただし、錆びてしまっているのはご愛嬌。








 田んぼの中の畦道国道を過ぎると、ちょっとだけ集落の中に入る。狭いのは相変わらずだが、勾配が急になって来た。











 集落の裏である。もはやというか、既にというか、国道とは思えない雰囲気をかもし出している。



 第二阪奈の手前である。ここで道がY字に分岐していて、直進は阪奈の上を、左へ落ちていく道は阪奈の下を暗渠でくぐる。
 旧道なので第二阪奈の下をくぐる方が正解だろうと思い、左の分岐を落ちて行った。感覚的には真っ逆さま、実際にも40°近い勾配ではないだろうか?とても怖い。

 帰宅してから調べてみると、第二阪奈の上を通る方がR308として指定されている様だ。ここらへんの事情はよく分からない。




 これから後もそうなのだが、R308にはオニギリはもとより道案内の標識がほとんど無い。では一本道が続くかというとそうではなく、集落内に入ったりすると細かく分岐していたりする、ちょっと厄介な道だ。
 たまにこうして看板が出てくると、道を間違えていない事がわかってほっとしたりする。







 いや、国道を走っているんだってば、マジで(笑)
(この写真は振り返って見ている)











 ここの分岐は迷いどころ。正解は右である。
 最初左へ行ったが、とんでもなく細い道となり結局元へ戻って来てしまった。
 地図を見ればすぐにわかりそうなものであるが、実は持たずに走っている(笑)








 住宅地へ入っていく路地にしか見えないが、この分岐が間違いなくR308である。
 リンク地図を拡大すると、本線から左へ外れて入って行く細い道がR308と描かれているのがわかると思う。実はこの分岐、標識が非常に分かりにくいので全く気付かなかった。写真は、一旦南生駒の駅へ出てから、逆にたどって来た道を振り返って撮っている。
 写真に見えている白い看板にもR308とは書かれていない。この分岐の少し手前、対向車線の擁壁にペンキで直にR308の方向が示されているのみである。そんなとこ、誰も見ないって(写真は撮り忘れた)


 南生駒の駅を過ぎてからは比較的真っ直ぐな道が続く。
 但し、道の方は相変わらず国道とは思えない。
 方向、合ってるよね???










 と、不安になって来たところで久方ぶりにオニギリが出てきた。最初の標識以来じゃないか、これ?











 そしてついにやって来た。あのアンダーパスをくぐった向うが暗峠そのものである。
 ちなみに上を走っているのは信貴生駒スカイライン。30年近く前に二輪通行止めとしてそれっきりの、非常識な道である。









 暗峠到達。
 ご覧の通りの石畳であり、バイクがまともに走りはしない。晴れているから良いようなものの、雨で濡れていたらさぞや…。
 ちなみにハイキングコースにもなっているらしく、人が多い。また、暗峠チャレンジャーのバイク、チャリも多く走ってくる。来ないのは車くらいである。

 奥に見えているハヤブサは私の愛機である。酷道チャレンジなら本来はKDXだろうが、岐阜から奈良までKDXで移動というのはありえない(笑)。



 来た方向を振り返る。
 あの穴倉から出てきたのだ。勾配の激しさがわかるだろうか?











 峠の集落を抜けて少し下ったところで振り返って見る。
 左の細い道が峠へ向かう道である。くどいようだが、国道なのだ。











 文字通り峠を越えてほっとしたのも束の間、大阪側の下りは鬼のような急勾配であり、これこそがまさにR308の白眉である。途中で停まって写真を撮るなぞ、冗談ではない。これはたまたま息継ぎのように一瞬平らな部分があったので、そこへハヤブサを停めて撮っている。従って、最強勾配の部分ではない。正直、ハヤブサで入って来たことを後悔した…。








 目もくらむような勾配であり、ハヤブサの重量は持て余す。が、バイクさえ軽ければ、地元民は慣れたもののようだ…(写真をクリック)






 急勾配を我慢して麓の集落を抜け、やっと平地に出てきた。

 それにしてもハヤブサでの酷道探索は厳しい。二度と行くもんか…






 


ハヤブサ ツーリング記録へ