高野龍神スカイライン
2009年5月9日
奈良和歌山県境を走る高野龍神スカイライン。岐阜からは遠く、かつ通行料が高いことで躊躇していたのだが、いつの間にか無料開放されていた。となれば少なくとも否定的な理由の一方は消えたわけで、当然行くべしとなるのである。 |
奈良和歌山県境付近を南北に通るR371の、高野山から龍神までの区間はかつて高野龍神スカイラインと呼ばれ和歌山県道路公社が管理する有料道路であった。ツーリングの名所として有名であり、一度行ってみたいと思ってはいたのだが岐阜からは距離があることとそれに通行料が高かったのである。近くを平走する道、抜け道も無く、止む無く往復したりすると4000円近く取られるのである。
しかし、それも最近無料開放されたとの噂を聞きつけ、ならばと思い行ってみることにした。
とはいえ、財布との距離は縮まったものの、昨年の隼駅行や餘部鉄橋行と同様、往復700kmの距離が縮まる訳ではないのだが…。
当日は04:00起床。
身支度をして弁当を作って(最近は節約のために作る)家を出たのが05:40。
岐阜から長良川の土手を走り、桑名六華苑を横目で見ながらR23経由で亀山を目指したのは東名阪の通行料を節約するためである。それでも名阪国道針TRSへは08:00到着だから新記録(?)である。東名阪を使っても車が多いとこうはいかない。
さて、高野龍神スカイラインのあるR371へは和歌山県橋本市から南下していく。そして、針から橋本へ至るためには名阪国道を大和郡山で下りひたすらR24を下って行くコースと、R369から榛原を経由してR370で五条へ行きR24に合流するコースと二通りある。
前者は、地図上では最短距離コースに見えるが奈良県を南北に貫く幹線道路であり、慢性的に渋滞(最近は多少緩和されたらしいが)している。一方後者は、走った事が無いので詳細不明である。とはいえ、多少距離が長くなっても(結果的に時間がかかろうとも)、渋滞が分かり切っているコースを取るのは抵抗があるので、榛原経由のコースとする。
結果的にはこれが正解、きちんとした幅員のある交通量の少ない田舎の道が五条まで続き、気持ちよく走ることができた。そして五条からはR24へ合流したわけであるが、こちらはやはり…
橋本到着は10:00、いいペースである。街中のスタンドで給油(山に入るとスタンドがある保証は無い)してR371へ入るつもりだったのだが、どうやら道を間違えたらしい。いつの間にやら走っていたのはR370である。
しかしおかげで当初の予定に無かった高野山町内を横切る事になり、美しい寺院のほんの一部ではあるが見学することができたのは怪我の功名、であろうか。
真言宗である高野山の金剛峯寺は空海が開いた(天台宗比叡山延暦寺は最澄、対で憶えましょう。テストに出ますw)のであるが、それ以上は知らない。が、今でも相当な山奥である。まして当時においておや。麓から数日歩かないと辿り着かなかったに違いない。そう思うと、ここで修行をしようとした身の尊さに頭が下がる。
ちなみに、ここまでのR370は狭隘のお手本のような道路であり、時折、漫然と運転している馬鹿者の対向車がセンターライン(無いが)を割ってブラインドコーナーから飛び出して来る。その度にやや冷汗をかくことになるのであるが、全く、車しか運転しない者の中には驚く程安全意識の欠如したのがいる。
また、この日は何故か出くわさなかった(時間が早かった?)が、その狭隘路を観光大型バスが延々と低速走行をするらしい。以上、ここへ訪れようとしている諸賢への注意事項である。
高野山町を過ぎて、スカイラインに入る。
スカイライン自体は幅員も十分あり、中〜高速コーナーの続く実にハヤブサ向きの道である。車も少なく、余りに楽しかったので、途中の写真は無い(笑)。
11時半頃にスカイラインの中間地点、護摩壇山スカイタワー駐車場へ到着。ここで昼食、持参の弁当を広げる。いかに大容量を誇るハヤブサのシッポとはいえ、水筒までは入らないのでお茶は現地調達である。(実はこの解消方法を検討中である。上手くいけば披露するので読者諸賢はしばしお待ちをw)
ちなみにここは携帯の電波は通じていない。公衆電話が今も現役である。
せっかくなので護摩壇山スカイタワーへ上ってみる。入場料は300円、護摩壇山の標高が1282mとのことなので、合わせて1300mくらいだろうか?駐車場の向うに見えている○にHのマークはヘリポートである。余りお世話にはなりたくはない。
駐車場の一角には付近の観光案内図があった。地名が龍神、ということで竜の頭が両側に付いているのはご愛嬌だが、私としては中央下のこれが気になるのである(笑)。う〜む、ご一緒したい(爆)。
しかも、中央上もなかなか捨て難いのである。いっそニ…(自主規制)。
高野龍神スカイラインは下りもまた楽しい。という訳で、写真は無し。GSX−R1000にブチ抜かれたこともまた内緒である。
スカイラインを下り切ったら、R425を東進して十津川へ向う。十津川からはR168を北上して五条へ戻るつもりであるが、ただしこのR425、日本三大酷道の一つとして有名である。さて、どうなることやら…。
「大型バス通行不能」の看板がのっけから不安感を盛り上げるw
左折してすぐのトンネルを抜けたところまでは広い道なのだが、その先は見えない(笑)。ここにもしつこく「大型バス通行不能」の看板がある。地図で見る限り、十津川温泉への近道に見えるのだが…
その実態はこれである。
大型バスどころかマイクロバスでも危うい。軽自動車でも離合不可能、離合ヶ所もほとんど無かった。バイク(ハヤブサ)でも嫌になるような道である。
興味本位で、車で行ってみようなぞという気は起こさない方が身のためだ。対向車が来たら一巻の終り、である。
R425は国道としては狭い(というか、国道でなくても狭い)が、街道としての歴史は古いようだ。
途中で天誅倉(写真左の建物)なるものがあった。何でも、幕末の天誅組が幽閉されていた倉らしい。いまでは小さい博物館のようになっている。
R425は所々開けてはいるが、道が広くなっている訳ではない。
時々、穴倉へ入って行くような気持ちになるのも事実である。
このような状態が延々と…(以下略)
龍神村の分岐から40分かけてようやく県境に到達。ここまで16km、平均時速は30km/hを割り込んでいる。この先、十津川村中心部までは31km…。
山の中を走っていると、忽然として通学路の標識が現れた。
どのくらいって、このくらい山の中である
⇒
場所は恐らく十津川村迫西川の湯之野。右写真の広場になっているところが学校跡かと思われるが定かではない。建っているのはプレハブであり、校舎ではない。いろいろ調べたが、学校名も判然としない。廃校となって取り壊されたのかもしれないが、通学路の標識が真新しいのが気になるのである。十津川村の教育委員会にでもメールすればわかるのであろうが、ただの個人的興味だけで手を煩わすのもねぇ…。
県境から下って行く途中に隧道というか、洞門というか、とにかく素掘りにコンクリートを吹き付けただけの短いトンネルがあった。
この大きさならトラックが屋根をこするのはお約束である。
山中に忽然と鉄橋! ではない。西中大谷橋である。よく見ると欄干の低い普通の橋をトラスで補強(?)してあるために鉄橋の如く見えるのである。この規模の橋でトラスを組んでいるのは珍しいのではないだろうか?
ようやく人里へ下りてくると学校があった。
西川第一小学校、らしいが表札が外されているところを見ると廃校かもしれない。
小学校の横を流れる川には吊橋かかっている。集落の中心は小学校側だが、対岸に1軒だけ家がありそのための橋である。
吊橋、とくれば渡ってみない訳にはいかない。
が、足元が網であり非常に怖い。橋の高さは2枚前の写真をみて勘案して欲しい。
結局、1/3程行ったところで断念。チキン野郎で結構ですとも…
集落の外れに、裏に滝が落ちている家を発見。
山の中腹には要塞があったり…
道が狭いだの何だのと散々文句だけは言いつつも風景を楽しみながら、十津川温泉へ到着。県境から2時間かかってしまった。平均時速15km/hくらいである。大休止を取るが時間切れなので温泉には入らず。
十津川温泉には何ヶ所か外湯があるので、次回来た時には入ってみよう。
十津川村からR168を北上すること1時間、本日の第二目標、谷瀬の吊橋に到着。
先程のリベンジで、当然渡ってみることにする。但し、高さ長さ共にこちらの方が格段上である。日本一長く、かつ高い吊橋らしい。
下を見ると河原に白い石を集めて書いたのだろうか、落書きがある。ちなみに高さは54mとか。
右写真は渡り切った証拠として反対側から写している。今回は全く恐怖心なく渡り切った。どうやら、足元が透けてみえるとダメらしい。前の吊橋は網で下が丸見え、今回は板張りだったので下が見えない。ちょっとした違いだが、心理的にはかなり違うようだ。
吊橋を渡ったらあとは帰宅一直線だが、その途中、五條市へ入った辺りの大日川の集落の風景である。山肌に民家が散在する様が何とも面白い。木々に囲まれていないのは、斜面を畑(?)か何かに利用しているからか。
この後、何とか明るいうちに五條市街へ出た。山道とその続きで日没は迎えたくないので、これでやっと一安心である。帰りはR24を通ってみたが、やはり予想通りの渋滞であった。
【
ハヤブサ
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