横田基地祭2010 前回横田に来たのは学生の頃だったか、就職した直後だったか。いずれにせよ20数年ぶりであり、まだ八高線が十分にローカル線だった頃の話である。 さて、最後にA−10のプロモーションビデオ(?)を紹介しておく。 最後に、C−130からの空挺降下。パラパラと落ちていく黒い点はゴマなんかじゃなく、空挺降下兵。
2010年8月22日
折り良く東京出張だったので、ついでに20数年ぶりに横田基地祭を見学。お目当てはF−22、そして思わぬ収穫も!?
折り良く東京出張の中日に横田基地祭が当たっていたので、行ってみることにした。目当てはF−22、未見の機体である。

09:00開門とほぼ同時に横田基地No5ゲートに到着、すでに芋洗い状態である。それもそのはず、入門者のいちいちにカバンを開けさせて持ち物検査をしているのだ。テロ対策とはいえご苦労様だが、検査している米兵もうんざりした顔をしていたのはご愛嬌。今日一日で、いったい何万人のカバンを覗き込むのやら。
ちなみに、日差しが厳しいので日傘を愛用されているご婦人も多いのだが、これが危ない。傘の骨がちょうど私の目や額の高さにくるのである。コツコツぶつけられたのは1度や2度ではない。ご婦人方、人ごみでは日傘をささないようにお願いしたい。

ゲートを入るとすぐに横田名物花電車(まてよ、米軍厚木基地でも見たような気がする)。「横田線」と書かれたこの電車、下に何が入っているのかは知らないが、結構な速度で走っていく。

エプロン区域。米軍基地は広い!箱庭のような自衛隊基地に比べると広大と言っていい。売店のテントばかりで展示機が見えていないが、ずっと向うの奥である。

売店の裏ではステーキ(ハンバーグ?)を焼いている。一般的なキャンプセットではなく、軍用のオーブンみたいだが?
さて展示機のいちいちを紹介しているときりがないので、以下、気をひいた機体を主として紹介する。
(1)海自P−3C #5003

わが青春のP−3C(何のこっちゃw)、である。ただしこれは国産の川崎重工製ではなく、昭和57年に米国ジャクソンビルから空輸してきたロッキード製3機のうちの3番機である。3機のうちの2番機、5002号機は既に昨年度で用廃、スクラップとなっていて、残るは5001号機とこの機体のみである。
縁あって米国から空輸した時の1番機の機長と2番機の機長には知己を得たが、はて、3番機の機長は誰だったろう?

そして左主翼下、WING STA15には私の懊悩が詰まっている(何で?)三菱電機製
HLR−109 ESM
POD。
さて、P−3Cを語りだすと長いので下に帰投時の動画を紹介するにとどめて、今回はここまでw
(2)リパブリックA−10 サンダーボルトU

破壊神ルーデルの化身、A−10サンダーボルトUである。任務は文字通り、敵対する戦闘車両の破壊。

機首にはA−10の主武装、30mm
7連装ガトリング砲(通称アベンジャー)が付いている。現用の航空機用機関砲としては恐らく最強だろう。これが命中した車両は「蒸発する」とか言われているシロモノである。私ぁ、こういう「大艦巨砲主義」は大好きだ。
また、これを搭載したがために機首車輪が機体右側へオフセットして取り付けられている。

腹下にはトラベルPODが吊り下げられている。移動時に搭乗員の手荷物等を入れておくためのもの(現にパネルが開いて中に何か入っているのが見えている)だが、中央部は円筒、その前後は円錐の一部分、先端と後端だけが3次元整形という、お手軽安価な仕様である(しかも前後対称)。せいぜい400kt(≒720km/h)程度の亜音速機だから、とはいえ同等の速度であるP−3Cはもう少し気を使っているぞ。

左主翼翼端。下面に見えている4つの四角い箱はチャフのディスペンサー。翼端側面前方の丸いのはIRのセンサー。側面後端の赤いのは翼端灯、白いのは航法灯かな。
翼端形状を見ると、意外と(失礼!)空力に気を使った設計をしていることがわかる。誘導抗力を低減させるため、翼端が垂れ下がっている。

主翼前縁、スパン(翼幅)方向にタービュレータが付いている。
航空機は、失速速度(これ以上は遅く飛べない速度)の1.05倍〜1.15倍の範囲でバフェット(機体がガタガタと揺れる)を発生させなければいけない(でないと失速に近づいたことが分からない)のだが、時としてそうならない機体がある。その場合は、適切な失速警報(操縦桿を揺さぶるスティックシェーカーなど)を付けるか、あるいはA−10のように強制的に主翼上面の空気を剥離させる(従ってバフェットが発生するようになる)タービュレータを取り付けるか、どちらかである。

キャノピ後方のアンテナ。左の小さい突起はU/VHF、その後の丸いのはGPS、その後方の大きいアンテナはSATCOM(衛星通信)だろう。GPSとSATCOMは後付だ、間違いなく。
ちょっと過激なので、つむじが左の人は見ないで下さいね。
(3)ロッキード F−22 ラプター
F−22、米空軍の現用戦闘機であり、米空軍機崇拝の航空自衛隊が購入しようとして断られた、最新鋭のステルス戦闘機である。日本では沖縄の嘉手納基地に展開しているが、こいつは何故かハワイのホノルルから来た機体。
実は初見の機体であり、これを見たさに横田まで来たのだ。が、まともに撮れた写真はこれだけ。あとはこの時だけ何故かカメラの調子が悪く、全てピンボケとなってしまった。さすがステルス!? …残念
なお、この機体だけは他機と違い、機体から離れた位置にロープが張られ、かつ小銃(当然実包入り)を抱えた兵隊が監視に付いていた。
(4)マクダネルダクラス(ボーイング) C−17 グローブマスターV

米空軍の最新鋭戦術輸送機、である。実はこれも初見であり、実機を見るのを楽しみにしていたのだ。
エンジン4発の機体は我国で開発中の川崎XC−2よりも一回り大きい。
なお、C−17の製造会社はマクダネルダグラスだが、今ではボーイングに吸収されてしまった。

No1エンジン。インレット上部に大きめのフィンが付いている。このフィンは全てのエンジンの両側にある。

バルジ(脚を収納するためのふくらみ)上方にあるドアが開いている。ドアから頭を出しているのは、主脚を支えるためのストラット。脚を下げた時だけ横へ張り出すような構造にして、バルジの大きさを抑えているのだ。この、脚回りの設計に工夫をこらして(空気抵抗の元となる)バルジを極力小さくする方法は、C−130やC−17を見ていると上手いなぁと思うのだが、C−1やXC−2はどうも今一つである。そのうち、ここについての考察をまとめてみたいと思っている。

右がバルジの中をのぞいたところ。上の台形の明るい部分が、
ドアである。

C−17の後方。軍用の戦術輸送機が全て高翼であるのは、このように後部から直接に貨物(あるいは車両)を搭載するようになっているからだ。この形式はC−130で確立され、以降40年間変わっていないし、今後変わる可能性もない。
ちなみに列ができているが、これはコックピットを見学するための列である。私も30分ほど並んだが、全く進まないのであきらめた。見学できた人に聞くと、2時間ほど並ぶ必要があったらしい。C−17ごときに、そこまでする義理はない(笑)

黒いのは、貨物室壁面にあるジャンプシート。兵員を輸送する時に使うものだ。古い輸送機ではアルミパイプの簡単なつくりだったが、さすが最新鋭機、何となく立派にできている。
(5)ロッキード MC−130

特殊作戦機、MC−130。逆光で見にくいが、輸送機型のC−130とはノーズレドームの形状が異なる。中に何が入っているのかは分からない(というか知らない)。C−130だとパラボラのウェザーレーダーが入っているだけなのだが。
そして、この機体も初見である。しかも、大型機の特殊作戦機とくれば、個人的には戦闘機よりも十分に萌えることができるのである(笑)
(実は、戦闘機なぞにはほとんど興味がない。F−22は見たことが無いから見てみたかった、というだけのレベルである)

左舷胴体後部側面にはIR(赤外線)センサのタレットとその基部を覆うフェアリング。右舷側にも同じタレットが付いている。このIRセンサで何を見るつもりなのか?どのみち、夜間の作戦を主体に考えていることは間違いなく、機内にはそのための操作員席が増設されているはずである。

タレットが付いている部分の機内側。タレット回転のためのギミックはフェアリングの中に納められているらしく、キャビン側には黒い縦長のBOXが2つ追加されているだけである。左側のBOXには「AN/AAQ−24 POWER SUPPLY UNIT 991710」とあった。これが右側にも同様に付いている。

フェアリングを下から見たところ。写真左が前方である。
フェアリング下部のスクリュ(ねじ)に注目して欲しい。前から3つ目までは皿頭で正常に取り付けられているが、4つ目は脱落、5つ目は皿頭、6つ目と7つ目は脱落、8つ目は何と丸頭! 9つ目は脱落、である。非常にいい加減、でもこれで飛んでいるのだろう。自衛隊なら決して許されない状態だ。というか、脱落したスクリュはどこで落としたのだ?間違いなく飛行中の出来事だと思うのだが…








ランプに付いている三角形の、恐らく遮風板。輸送機型のC−130には無い物である。通常任務として、ランプを開けたまま飛行(恐らく後方の監視)しているのであろうと思われる。

空挺扉(機体の後方、左右にある)だが、こいつは明らかにおかしい。輸送機型C−130の空挺扉にある窓は小さな丸窓だが、四角い大型の窓となっている。これも側方監視の視界を大きく取るための処置だろうが、「与圧機の場合、強度上の理由で四角い窓(切り欠き)はご法度」である。強度上、持つようにつくれば良いのだろうが、全く訳が分からない。ひょっとしてMC−130は与圧が必要な高度は飛行しないのか?
(既述のように、日常的にランプを開けて飛行するとなると与圧は確かに用をなさないが、それでもフェリーで高高度を飛ぶ必要があることもあるだろう)



コックピット(空軍ではこの用語を使う。海軍機では”フライトステーション”だ)。
左からパイロット席、センターペデスタル(赤いカバーかかかっているのはパワーレバー)、コパイロット席
航空自衛隊のC−130Hと違って、グラスコックピット(計器を液晶画面に表示する)となっている。

で、問題の写真がこれだ。
コックピットの右後、ノーマルC−130だと航法士席の位置が、1席から2席に増設されている。たぶん片方(恐らく後方、写真右手)が追加装備をしたIRの操作員席だと思うのだが、カメラを構えたらものの見事に邪魔しやがった、コイツ。
イヤミで「ここは航法士席か?」と聞いたら「Yes!」といって、航法士席の機器について解説してくれた。わざわざ解説してくれなくても知ってるよ、それくらい。てゆーより、そこ、どけよ。見たいのはそっちの席だよ!
とはおくびにもださず、一応「Thankyou,
Sir」といったけどさ。くそ

これがMC−130の顔。ほら、変な鼻でしょ?
コックピットの後にはSATCOM(衛星通信)のアンテナがある(T字に見えているものがそれ)。

ノーズレドーム下面、後方にはこんなアンテナ?が付いていた。

両翼端には黒い帯が入っている。最初、何かのフェアリングかと思ったが、ペイントだった(前縁の塗装が剥げているので分かる)。ちなみに、C−130も同じ塗装が施されている。

背中。物干し竿のように見えるのはUHF?HF?ノーマルC−130にあるHFのワイヤーアンテナがMC−130には無い。
また、ドーサルフィン後方には白いアンテナが追加されている。
(6)C−130H

(横田基地にいる)ノーマルのC−130はこんな顔。MC−130と比べて、ノーズレドームの形状が全く違うのがわかる。また、コックピット上部にある、2つのIRセンサはMC−130と同じようだが、その間のECMと思しき円筒形のレドーム(?)が無い。また、機首側面のフェアリングも無い。

垂直尾翼先端。MC−130とは異なり、センサの類が付いていない。ECMが無いのはわかるが、IRまで無いのはなぜだ?
その代わり、でも無いがMC−130では取り外されているHFのワイヤアンテナが残っている。こっちはMCとちがってSATCOM(衛星通信)のアンテナが無いので、HFを残してあるのだろう。

MC−130にはIRタレットが装備されているが、C−130にはフェアリングだけでタレット本体は付いていない。これは、エプロンに並んでいた他のC−130も同様だった。

ちなみにこれ(→)は右側面から見たところ。上のMC−130の同アングルの写真と比べると、同じフェアリングであることが分かる。

だがなぜか、MCと違ってフェアリング下部の処置は丁寧(笑)。

主翼端の黒帯はMC−130と同じ。

(7)その他展示機
その他展示機を順番に。

米軍のC−12輸送機、だっけ?ビジネス機を人員輸送機として使っているもの。

横田基地内にある飛行クラブの機体。セスナ172かなぁ?
Nナンバーなので米国で登録された機体(しかも民間機)だが、わざわざ持って来たのだろうか?機首部のペイントが・・・w

飛行機じゃないけれど、陸上自衛隊の軽装甲機動車(小松製作所製)が展示されていた。ちょっと欲しくなったのは私だけ?

これも飛行機じゃないよね(笑)
デモにやって来た、iconのエクストリームチームのキャンギャル。
後は覚書風に。全て網羅している訳ではないので念のため。特に、ヘリが怪しい。
@米軍
F−16、F−18(海軍/海兵隊)、KC−135
A海上自衛隊
C−90(61空)、SH−60K
B航空自衛隊
F−15、T−4、YS−11FC、C−1FTB、C−1、RF−4C、F−2
C陸上自衛隊
OH−6J、CH−47、UH−1、AH−1
(8)帰投

F−18の帰投動画。

YS−11FC(たぶん)の帰投。
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