豊山町 航空館boon


2009年3月22日
 

 愛知県豊山町の航空館boonへ行ってきた。名古屋空港にあった航空博物館が閉館となった時に、展示の一部を移したものらしい。展示内容に特筆すべきものは無いが、強いて言えば県営名古屋空港から離着陸する飛行機を、フェンスに邪魔されずに見られることくらいだろうか?
 しかし、決してアベックで行ってはいけない。目的は同じでも、アベックで行くならショッピングモールを併設したエアウォークの方が余程気が利いているのである(笑)。


 前々から気になっていた愛知県豊山町の航空館boonへ行ってきた。

 場所は県営名古屋空港(小牧)の西側に隣接、川を挟んで向い側には三菱重工の小牧南工場がある。








で、中へ入るとお兄さんがお出迎え。着ている作業服から、どういう位置付けの博物館かが良くわかる(笑)。

 写真が小さくて分かり辛いので申し訳ないのだが、お兄さんは三菱重工の作業服を着ている。(帽子と胸に三菱重工のマーク)

 およそ地方自治体が運営する公共施設にあるまじき暴挙だと思うのは私だけだろうか?(笑)
 各務原航空宇宙博物館(こっちは川崎重工の息がかかっている)でもここまで露骨にはやってないぞ(爆))



 展示内容はまぁ、一般的な航空機の歴史と三菱重工のMU−2試作3号機、川崎ヒューズ369、後はエンジンが少々であり、特に珍しいものではない。

 
 ヘリは苦手なので(でもBK117には乗ったことがある)うろ覚えで恐縮だが、確か元々の369は3枚ブレード。それを川崎が独自に4枚ブレードへ改造したと聞いている。












 これは4枚ブレードなので改造した方の機体である。





 MU−2は試作3号機、エンジンの搭載方式が試作機特有のパイロン方式である(量産機では通常のナセル方式に変更された)。しかし、茶色の塗装はダサい。 









 
 一応、機内に入ることもできる。
 写真では広さが分かりにくいが、狭い。私にとって狭いのだから、デカいアメリカ人はさぞや狭く感じた事だろう。同じ双発でもビーチのキングエアなんかに比べたら一回り狭い。高速性を売り物にするために空気抵抗を減らす目的があったらしいが…



 こっちはインパネである。あまり整理された配置には見えないが、この時代はこんなものである。笑って許そう(笑)











 これは主翼上面。着陸速度を下げるために、主翼の後縁はフルスパンに渡ってフラップとなっている。ロールのコントロールはエルロンではなくスポイラで行われる。
 後のMU−300、T−2/F−1と続く三菱得意の「フルスパンフラップ+スポイラ」の嚆矢がこれである。
 離陸時に片エンジンが停止した場合の横・方向のコントロールが要求されないカテゴリだからこれで成立するのかもしれないが、少しでも揚力が欲しい片発停止の離陸時にそれを殺してしまうスポイラを使わざるを得なくしてしまう設計はちょっとどうかと思う。実際にそれが原因で落ちた機体もある。
 MRJではどうするのか知らないが。



 こちらは翼端についている補助燃料タンク。

 MU−2の翼端タンクはずっと取り外し式だと思い込んでいたが、どうやら固定式だったらしい。教科書通りの取付位置である。








 面白いのはこれ。プロペラ前縁の防氷マットであるが、何とヒーター用の配線(黄色いヤツ)が剥き出し。こんなん、ありか?(笑)










 最後に航空館2Fのテラスから眺めた写真を。
 左は空自小牧基地のKC−767。3号機まで日本に到着しているが、そのうちの2機。右は三菱重工小牧南工場でIRAN(定期修理)中のF−4EJ(改かな?)である。













 くれぐれも、アベックで行く場合はエアウォークへ行くように(笑)。


蒼空の記録へ