空自浜松広報館


2008年5月4日
 

  浜松へ出張の用があったので、ついでに空自浜松広報館へ行ってみた。昔は基地祭の度にハンガーから引き出して展示していた機体が、今では常設展示されているのである。その他、シミュレータ、シアター等も充実しているので、飛行機好きなら各務原航空宇宙博物館とともに是非一度は訪れたい場所である。

 空自浜松基地は第一術科学校(整備員の教育にあたる)があり、その関係からか各種の航空機がここへ集められていた。
 昔は基地祭の度にそれら航空機をハンガー(?)から出して展示していたのだが、平成11年4月に広報館がオープン、収蔵機はそちらへ移されたのである。

 広報館の展示機は、20機種程。こんな感じである。












 これらの展示機について、そのいちいちをここで語っているとキリがないので、目を引いたものだけ紹介する。



 これはイタリア(だったと思う)の複葉機。名称も、由来も不明である(私が知らないだけ。初期のジェット機と共に、複葉機も弱いのである)。

 胴体断面が面白い形をしていたので撮ってみた。主翼の後方から、えぐるように絞り込まれている。プロペラ後流は圧縮流なので、それを逃がすために絞ったのか、はたまた単なるデザインかは定かではない。いずれにしても面白い形と思う。




 これはT−3の胴体を下から見上げたところである。
 上の複葉機と同じく圧縮流云々の話をするのであれば、後胴はえぐっていかなければならないのだが、そんなことは委細気にせず直線で絞っている。しかも下面は平面で、二次元的造型である。これは工作の容易化を狙ったものと推察されるが、非与圧機ならではの形ではある。
 ついでに云っておくと、軽飛行機等で与圧機、非与圧機は窓の形状を見れば分かる。窓が四角いのは非与圧機である。

 




 最後の1枚。
 階段下に解説板もなく無造作に置かれているが、向こう側の茶色いのがT−4の風洞試験模型である。
 手前のオレンジ色も同じくT−4の模型であるが、これは恐らくスピンテストに用いられた(実際にヘリから落とされた)模型であると思われる。機首にはデータ収集用の標準ピトーが装備されている。この類の模型は、形状ばかりではなく慣性力等も実機と合わせなければならないので、製作にはノウハウが必要になるのである。


 と、ここまで書いてから冒頭の写真について。
 機種はF−104。硫黄島で使われたQF−104の塗装となっているが、この機体もそうであるのかどうかは定かではない。わざわざ予算を使って改造したQF−104を、使わずに残しておいてここまで持ってくるとは考えにくいので、塗装だけかも知れない。詳しい人、教えて下さい(笑)


 
 QF−104は、用廃となったF−104を改造して製作した無人標的機(ドローン)である。硫黄島で運用され、標的機であるからには全機撃墜されるのが運命である。幸か不幸か被撃墜の憂き目に遭わなくても、自動着陸できるように造ったとは聞いていないので、一旦離陸したら最後撃墜されるか、不時着水して水没の運命にあったであろうことは想像に難くない。













 それにしてもマルヨンは、好きだ…。


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