BMW nineT試乗記 街乗りならいいかも。 BMWの新作、R nineT(ナインT)とS1000Rを試乗したので忘れないうちに記録しておく。 【余話2014へ】
2014年5月10日
1.R
nineT
BMWのロードスター、nineT。トライアンフのスピードトリプルみたいにちょっとお尻の小さいデザインだなとは思ったが、流行のデザインでもあるし、そう悪くも見えなかったので試乗してみることにした。
まず乗る前。ごらんの通り、シート下の収納はほぼ皆無。車検証と、車載工具はシリンダヘッドのオイルプラグを開けるための特殊工具とドライバ1本、スパナ1本程度しか入らない。
どのみちロードスター(やストリートファイター)系はそんなもんだし、現にGSR750やスピードトリプルなんかも似たようなものだ。が、やはり、収納上手のハヤブサに乗っている身としては物足りない。ツーリングマップル1冊とサイフくらいはシート下で何とかしたいところ。でないと、ツーリング時のタンクバック使用が必須となってしまい、せっかくのスタイルがスポイルされてしまう。スタイルを崩す気が無いのなら、ウエストポーチなどが必須(それでも個人的には好きではない)である。
足付きは良好(と思われる)。走り出すとさすが2気筒(空冷1170cc、110馬力)、実用域でのトルクは十二分にある。体感的には、ハヤブサよりもあるように感じる。低速、高目のギアから開けてもグンッと前へ出て行く。ただしやはり2気筒、頭打ちも早い。出だしはハヤブサもかくやとばかりの加速をするが、すぐにレッドゾーンへ入ってしまう。
車体は軽く、ハンドリングも軽快、癖無し。停車時に空ぶかしをしてみたが、ドライブシャフト特有の右傾も昔乗ったR1200GSに比べるとよく抑えられている。
パワー特性もあって、街中、下道日帰りロングツーリングには疲れなくていいかもしれない。ただし、高速は苦手のようで、ショップの人は「120km/hくらいが限界」と言っていた。いくら何でもそれでは車以下なので、実際にはそうでもないのだろうが所詮は2気筒、大きく期待はできないと思う。
お前は買うか?といわれれば、十分候補にはなる。初めてBMWを良いと思ったのは事実だ。
ハヤブサの次期マシンは当分先と思っているが、今のところ第一候補はGSR750。その時になって、GSRほど飛ばさなくてもいいやという気持ちになっていたなら、nineTもあり。全く飛ばす気がうせていたなら、いつぞや試乗したモトグッチV7もいいかなと思う。
nineTに乗るなら、オリジナルの左2本出しマフラ(ドゥカティ スポーツ1000みたい)はやめて、純正オプションパーツのアクラボヴィッツ(ただし日本発売未定)1本だし、シートはシングルにしたいと思っている(いずれも右写真の通り)。
ただ、車両本体価格200万円のハードルは高いのだ(苦笑)。
2.S1000R
nineTに乗ったついでに、勧められるままにS1000Rにも試乗。
本当はS1000R R
(左写真)に興味があり、あれば試乗したかったのだが、あいにくと無し。エンジンはほぼ同じ、といわれたので”R”(上写真の赤)に乗ってみることにした。
nineTに比べれば何の特徴も無い、至って普通のバイクだ。峠やサーキットに持ち込めば速いのかもしれないが。BMWがこんな日本車とキャラのかぶるマシンを造ってはいかんな。
感想はそれだけである。所詮、パフォーマンスでは日本車に勝てない。あとは、BMWということ、または、あのデザインに高いお金を払えるならありかもしれないが、私は無い。乗って高揚するものは何も無かった。
あと、以前にのったR1200GSでは、右ハンドルに右ウインカー、左ハンドルに左ウインカーのスイッチが付いていたが、今回は普通のバイクみたいに左ハンドルに一体化されたスイッチが装備されていた。ただし、ストロークが無く、押したかどうか非常に分かりにくい。
また、BMWは何となくいつも全体がプラスチックっぽいこともあって、私の中ではとても評価は低い。BMW信者が言うほど、よいメーカーとは思われないのだ。もっとも、品質(出先での故障)が信頼できるのは、日本車のほかはBMWだけだと思っているけどね。
さて、そんなこんなでBMWの悪口を言っていたら恨まれそう(?)なので、オマケを付けておくので良しとして欲しい。
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《2015.2.8追記》
2015.2.7、ダイレクトメールも来たことだし、冬の中休みといった気温に誘われて、BMWモトラッド R41店へS1000RRの2015年型を見に行った。
見るだけのつもりだったが、なんと試乗できるとのことだったので乗ってみた。
感想は?
いやぁ、速い。昨夏にGSX-R1000を試乗したのだが、それより早いかもしれない。ハンドリングもクセなく、ブレーキも効くし。実際の車重200kg越えとは思われない軽さだ。また、随所にコンピュータが介在して、走りをアシストしているようだが、その気配はほぼ感じられない。
ポジションはGSX-Rよりもややハンドルが遠く、シートが高い。174の私は両足べったりだが、余裕は無いので、170以下だときついかもしれない。
車両本体価格215万だが、それだけの価値があるかと問われれば、たぶんある(ただし、ブレーキマスターが私のNISSIN−デイトナと同じだったのにはちょっと笑えた)。このマシンだけはBMWのブランドに恥じない価値はあると思う。だが、私にそれが払えるかどうかは別問題である(笑)