国内仕様ハヤブサ/GSR750/Vストーム試乗記


2014年3月22日
 

 ハヤブサはハヤブサだった。


 岐阜の田中車輌でスズキの新作を試乗したので忘れないうちに記録しておく。

1.ハヤブサ
 結論から言おう。ハヤブサはハヤブサだった、いい意味で。
 自分の2000年型との比較になるのだが、これが全く変わらない。もちろん、デザインとか、シッポの収納が狭いとか、ETCが付いている(国内仕様)とか、出力がABCの3モードから選べる(Aしか試していないが)とかはあるのだが、そんなことはさておき、走りとエンジンのフィーリングは同じなのである。
 ポジションは同じ、出力も回せば違うのかもしれないが、岐阜の街中(それでも大都市と違って瞬く間にちょっと言えない速度になる)レベルでは、発進時にややトルクが薄いか?と感じるくらいである。
 そのトルクも、以前にのったZZR1400の初期型に比べれば十分だ。
 ハンドリングもハヤブサのまま。ちょっとローリングさせてみて、自分のハヤブサよりも軽く感じたのは、おそらく新車のせい。そういえば自分のも、新しい時にはこんな感じだったなぁ。
 ただブレーキの利きまでも同じフィーリングなのはちょっと?かもしれない。せっかくブレンボが付いているのに、トキコ6POTと変わらないのだ、少なくとも街中の速度では。
 結論として冒頭に戻るが、ハヤブサはハヤブサのまま、相変わらずいいマシンだった。良いマシンだと思うので乗ったことの無い人にはお勧めするが、調子の良い、あるいは特に悪いところの無い旧型に乗っている人にはお勧めしない。乗り換えてもたぶん、何も変わらないからだ。もちろん、いい意味で。



2.GSR750

 軽快、回せば速い、回さなくても面白い。街乗りから、ハヤブサほどの速度までとはいかないが、それでも十分高速でも楽しめる。エンジンはGSX−R750と同じ(ギア比は違う)らしいが、そっちもこんな感じなのだろうか?
 ポジションが立っていて、非常に楽である。昨年暮れ、モトグッチに試乗して、マシンに急かされない感触に欲しくなったのだが、やはり速い方が良いのである。
 ハヤブサからモトグッチへ行かなくても、間に是非挟みたい一台だ。
 デザインは癖があるが、私は好きだ。スイングアームも角パイプだとの批判はあるが、黒塗装されているので良しとしよう。ただ、スプロケットだけはいただけない。これではまるで1円玉なので、交換の機会があればアフターパーツにしたいところである。あと、集合マフラーの処理、サイレンサの造形も好きだ。ハヤブサが(年齢的に)手に負えなくなった後の、後継マシンとして個人的には十分気になるモデルである。
 ただ気になるのは、タンデムシートが小さい=積載スペースが小さい、ということ(もっともこれは最近のストリートファイター系は大体同じ)。これでは長距離やテントなどの大荷物を積んでのツーリングには向かない。
 ハヤブサ(私の旧型)と違って、シートの下にも何も入らないので、シルエットを崩したくない私としては不本意ながらタンクバックを使用する事になるが、これまたタンク形状のため取り付けにくいらしい。晴天日帰りオンリーと用途を決めれば苦にならないのかもしれないが。


3.Vストーム650
 これまた軽快(でも意外と車重はある)、回らない(?)が面白い。街乗りと、120km/hまでの高速道路を使ったツーリングならこれで十分。
 ただ、足つきは当然だが良くない。174cmの私でかかとが浮くので、ちょっと怖い。モデル的にはハヤブサなどよりもダートへ入りやすいはずだが、積極的に入りたくは無いな、と思う。ただ、たまさか出くわした、予想していなかったダートでは、ハヤブサよりも扱いやすいのは勿論だ。
 こういうマシンが好きな人は買って損は無いと思う。ただ、プラグの交換はとてもやりにくいみたい(Vツインなので、前はラジエタ、後ろは燃料タンクに隠れている)。そのうち、1000の試乗会もやるとのことなので、機会があったら乗り比べてみたいと思う。

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