南極・北極科学館


2011年11月30日
 

 科学館が日曜休みなんて、やる気あんのか?と怒ってみてもしょうがない。何とか平日に時間が取れたので、立川の南極・北極科学館へ行ってみた。



東京都立川市にある南極・北極科学館(国立極地研究所の付属施設)へ行ってみた。
日曜は休館日なのでなかなか行けなかったのだが、何とか平日に時間が取れたのだ。




展示は、南極・北極に関する調査・研究の内容、成果が主体。
興味ないことは無かったが、地質や気象にはあまりそそられなかった(これは私の好みなので科学館の責ではない)。
上写真は昭和基地のジオラマ。こういうのは面白いんだけどね。




むしろ、こういう展示が好き。南極を自由自在に走り回った、大型雪上車KD604。
エンジンはいすゞ製、水冷ディーゼル6気筒6400cc、140馬力。
燃費は何と、250m/L!




乗降は後から。この図体で、4人乗りだ。




乗降口から前方を見ている。
右が運転席、左が助手席。
その手前、左右は4人分のベットになっている。どうやらこの中で寝泊りするらしい。
キャンピングカーみたいだ。




左写真が運転席全景、右写真が計器板。
運転はMTだが、ハンドルは無く、中央にある2本のレバーで左右のキャタピラを操作するようだ。同調は、どうするのだろう?カン?
計器板の大きな丸い計器のうち、左が回転計、右が速度計。速度計の目盛りは35までしかない。




運転席から後方、乗降口の方を見る。
向かって右に機器類、左は?




向かって右(左舷側)にあるのは無線機類だった。
まさに命綱、ですな。




向かって左(右舷側)は調理台だった。
さっきのベッドと合わせて、車内泊ができるようにしているようだ。
南極だもんなぁ。




車内にあった銘板。
エンジンはいすゞだが、本体(全体)は小松製作所のようだ。
その下の緑の丸い銘板は梁瀬、コーチビルダー(車体の製造会社)だ。
乗用車では車体とエンジンが同じ会社であることがほとんどだが、バスやこういった特装車では、エンジンメーカーと車体メーカー(コーチビルダーという)が違うのはよくあることだ。
この場合、梁瀬の車体にいすゞのエンジンを載せたものを小松が取りまとめて販売したのだろう。
ところで、車外に置いてあった解説板には、さっき書いた通りKD604となっていたのだが、
小松の銘板では型式がKD60−3となっている。正解はどっちだ?
ちなみにシリアルは004だから、少なくとも4両は造られたようだ。製造年月は1967.10。




オーロラの観測に使われていたS−160JA型ロケット。全長は3mくらいだったか。
固体ロケットなので日産自動車製かと思ったら、その通りだった(*)。

*:H2Aなどの大型ロケットで使われているエンジンは液体燃料、三菱重工やIHI製(要は旧 宇宙開発事業団系)だが、
こういった小型のロケットで使われているエンジンは固体(要は火薬。旧 宇宙科学研究所系)であり、
日産自動車製なのだ。

蛇足:「はやぶさ」で有名になった独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙科学研究所(文部省所轄)、宇宙開発事業団(通産省所轄)、航空宇宙技術研究所(科学技術庁所轄)の三研究所を統合した組織だ。
はやぶさは宇宙科学研究所系なので固体ロケットで鹿児島県内之浦から打ち上られた。
H2Aは宇宙開発事業団系なので、液体燃料ロケットで種子島から打ち上げる。
じゃあ航空宇宙技術研究所系は?というと、こっちは「飛行機屋」であって「ロケット屋」ではないので、東京の調布飛行場から試験機を飛ばしたり、オーストラリアのウーメラというところで無人実験機を飛ばしたりしている。
面白いのは、「宇宙航空研究開発機構」の組織であるのに、航空宇宙技術研究所系の施設は「航空宇宙云々」という名称になっていることだw




これは大気観測に使っている無人機、といえば聞こえはいいがラジコン。
ピトー管(先端の紅白に塗られた棒)が曲がっているのは何か意味があるのかと聞いたら、
「地震(3.11の)でぶつかって曲がってしまった」とのこと。
メーカーは、聞いたけど忘れてしまった。


とまぁ、あまり南極や(特に)北極の研究自体とは関係ないものの紹介だけになってしまったけど、最後にこれ。


この日、立川はいい天気でした。


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