落ちたら死ぬ!、を歩く
2010年5月9日
通行止めなら、その先が気になるのは人情というもの。バイクで入れないならば、徒歩で行くまでである。
R157の岐阜県根尾能郷から黒津の間、通行止めの区間は、酷道マニアにとってつとに有名である。
なぜ有名?
それはKDXの後ろに見えている、「落ちたら死ぬ!!」の看板がショッキングだからだ(笑)(ちなみにこの看板は携帯ストラップにもなっている)。
実はこの区間、数年前から通行止めのままとなっている。一応工事期間に区切りはあるが(上の写真参照)、途切れることなく延長されているのが実情である。一体全体、復旧させる気はあるのか?
2枚上の写真は黒津側にあった看板(現在位置が黒津になっている)、今いるのは能郷側である。今日はこの通行止めの区間がどうなっているのか確認しに来たのだ。とはいえご覧の通り、路肩まで厳重にゲートで固めてあるので、KDXをもってしても突破はできない。徒歩で黒津まで行って、また戻ってくるつもりである。
(自転車でも行けないことはないだろうが、ゲートの上から車体を投げ入れる必要がある)
ゲートの向こうしばらくはこんな感じ。確かに道幅は狭く車の対向はできない上に待避所もほとんど無いから、車での通過は確かに面倒だろう。しかしガードレールもしっかりしているし(今のところは)、徒歩の身にとっては道幅も十分である。
根尾川の清流。ここより上流には廃村(又は冬季無人集落)しかない。
根尾川の、通行止め区間にある西谷川砂防ダム。こんな山奥に何ともまぁ…
とかなんとかのんきなことを言っていたら、いつの間にかガードレールも無くなってだんだんと酷道らしくなってきた。ポールが傾いているのはたぶん雪のせいだろう。この辺りは豪雪地帯なのだ。
あ、崩れてやがる。
崩落が止まらないのだろう、擁壁で固めるのはあきらめて、シェッドにしてある。あそこはたぶんこの辺だ。
道もだんだん狭く、ひどいことになってきて…
こりゃ確かに落ちたら死ぬなぁ。
さっきのシェッドへ到達、ゲートからここまで1時間。銘板が無かったのでよく分からないが、比較的新しく見える。もっとも、完成してから車が通ったことがあるのかどうかは疑問だが。
シェッドを抜け、道が大きく回りこむ所にお地蔵様。どうやらここが峠になるようだ。
真新しい祠の向こうに、古びた青いオニギリが見える。
あ、何だかヤバそう。
ここまで能郷のゲートから1時間半。
あーあ、擁壁が逝ってるよ…
擁壁が崩れただけじゃなくて、路盤も逝ってやがる。
落石の上を恐々と越えていく。
ちなみにこの崩落、位置的には西平ダムの所だ。
結局、R157を通行止めとしていたのはさっきの崩落1ヶ所のせいだったようだ。その後はさしたる難所も無く、能郷側ゲートから2時間で黒津側のゲートに到達。
折り返す前にチラッと黒津の集落を一回り(と言っても狭い集落だが)。黒津は、現在では無人集落となっているので、廃屋があるばかりだ。北へ数キロいった越波(おっぱ)は冬季のみの無人集落なのだが。
さて、それでは戻るとするか。
往復の途上、昆虫は別にして、唯一遭遇した生物がこれ。小さなマムシが日向ぼっこをしていた。
帰り道は少し早かったのか、黒津のゲートから1時間40分で戻ってきた。
それにしても酷道157号、いつになったら開通するのだろう。いや、それよりも行政は開通させる気はあるのだろうか?まぁ、開通しなくても困る人はごく少ないというのは事実なんだろうけどね。