板取大谷と岩本洞


2009年3月9日
 

  関市板取の地図を仔細に見ていると、大谷地区に隧道を見つけた。しかも前後はどう見ても林道(ダート?)である。林道で隧道、とくれば行かねばならない。隧道マニアの性である。

 マピオンで関市板取の辺りを見ていて、変なものを見つけた。
 大谷、と呼ばれる地区の林道と思しき道に隧道が描かれているのである。林道で隧道、とくれば素掘りを思い浮かべるのは当然の理であり、ならば行かねばならないのである。


 国道256を北上、タラガトンネルへの分岐を直進して暫く行くと関市板取事務所がある。

 目的の隧道へはその横にある道を事務所の裏側へと入って行く。
 大谷、と呼ばれる地区のようであるが集落は無い。林業のためだけに通した道のようである。






 事務所から1キロも行かないところで大谷川を左岸から右岸へ渡る。橋の名前は鳴谷橋、昭和52年11月の竣工だが、付け替えの橋なのかどうかはわからない。舗装はここまで、この先はダートである。

 







 橋の上から谷底を覗いたのが右写真である。50mくらいの標高差があり、覗いていると吸い込まれそうで少々怖い。





 更に行くと、今度は川を右岸から左岸に渡る。向うには滝が見えている、橋の名前はその通り滝見橋である。
 KDXが濛々たる白煙を吹き上げているが、特に調子が悪い訳ではない。前日に入れた、1L 400円の安オイルの所為である。二度と入れるもんか(笑)


 




 右は来た道を振り返っている。比較的フラットで走り易いが、林道で油断は禁物である。
 先程の谷は林道の2mほど下までせり上がって来ている。地図で見る限り、林道の方はほとんど標高をかせいでいない。







 滝に近寄ってみた。その左側には中で石が回ったのであろう、長い年月をかけた結果の半球状の穴が穿たれていた。

  【滝の動画(横に寝ていますがご容赦を)】

 















 ダートを走ること20分、ついにお目当ての隧道が姿を現した。感激のご対面、である。
 
 大谷隧道、延長90m、幅員5m。残念ながら素堀では無かった、昭和61年の竣工である。が、前後ともダートなのでよしとしよう。








 短いので向こう側は見えている。内壁もしっかりしたコンクリート造りである。








 登って来たのはこのような幅広のフラットダートである。さっきの滝から林道は徐々に高度を取り、大谷川は再び谷間となって画面左の崖の下を流れている。






 隧道を抜け、橋を渡るとその先は二股に分かれている。右が本線、左は暫く行ったところで行止まりになることは地図で調査済みである。
 なのでまず左へ行ってみることにするが、この林道、木セト林道というらしい。では、本線の方の名前は?








 木セト林道はすぐに行止まりとなった。KDXの先は崖である。
 向こう側の山肌は未だ真冬のままである。この辺りで標高約500m。











 本線へ戻って川沿いを走る。まだまだ道幅も広く、フラットである。走り易いが、所々穴があいているので、調子に乗ると文字通り足元をすくわれることになる。










 暫く走ると林道は川沿いから離れ、いきなり高度を取り始める。
 銘板があったので見てみると、大谷〜大栃林道というらしい。この辺りで高度800m前後。日陰にチラホラと雪が残っているが、意外と寒くない。









 峠を抜けて尾根の反対側へ出てきた。道が広かったのは峠までで、以後は林道らしい林道(?)である。
 それにしても未だ轍がある…。










 そしてついに行止まり、である。車が3台、行く手を塞いでいる。










 その先は右の如く、工事中である。車が邪魔していなければもう少しいけそうな気もするが、どうやらこの先、どこかの林道とつながるらしい…、とここまで来てやっと思い当った。ひょっとして昨年5月、亀尾島林道のついでに迷い込んだタラガ谷〜大栃林道とつながるのではないか?そう云えば反対側は工事中だった…。


 来た道を振り返る。車1台分の幅しかない。さっきの車はどこで転回するのだろう。少なくとも、1キロや2キロはバックしないと転回できるだけの広い場所はない。

 ちなみに、山の斜面に点々とある白は残雪である。
 この辺りで標高約900m。



 



 実は今回のツーリング、新兵器を導入した。某オークションで格安購入したイーグル社製GPS、エクスプローラである。写真は行止まりでの緯度経度そのものなので、興味のある読者は地図で現在位置を調べてみるとよい。



 ダートの始まりからここまで、10キロあった。地図で見る限りではそれほど長いようには見えないのだが、思いの他回りこんでいるようだ。なかなか走り応えのある林道である。さらに向こう側の林道とつながると、20キロ前後のダートが出来上がる。待ち遠しい気もするが、開通した直後に舗装されてしまうのもよくある話しではある。



 戻りがけに気になる風景があったので撮ってみた。山の半分は植林の針葉樹、残り半分は天然の落葉樹なのであろう。コントラストが面白い。










 さて、まだ時間があるので、ついでにもう一本の林道へ向かうことにする。板取事務所から更に北、板取小学校から東へ入る岩本洞である。


 導入は舗装であるが、当然すぐにダートになる。

 














 3〜4キロ(?)進むと分岐が現れる。
 本線は右、左は支線のキッタ洞林道である。
 相変わらず本線の林道名称がわからない(笑)
 岩本洞林道?

 とりあえず、キッタ洞林道へと向かう。







 キッタ洞林道はすぐに行止まりとなった。右手は崖崩れのように見えるがそうではなく、まだ斜面を切り開いて道を造成していないだけである。この先、既に道は無い。






 分岐まで戻り、本線を行くと10分余りで行止まり。
 林業と、それから砂防ダム建設のためにできた道のようである。分岐から先、ここまでの短い間に3つ4つ、砂防ダムが現れた。









 ちなみに現在位置は右の通りである。興味のある読者諸賢は自分で調べてみては如何。



 こうして、今シーズン第1回目のツーリングが終了した。
 山を走るのに左程寒い日ではなかったが、やはり3月上旬である。帰宅してからの風呂が有難かったのである。


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