洞戸発電所探索記


2008年10月11日
 

  洞戸発電所の導水路を取水口から発電所まで、地上に出ている部分をたどってみた。取水口や導水路の位置が地図上で不明確だったため、全容の把握まで1ヶ月近くを要してしまった。

 以前のツーリングで見つけた水路が気になってしょうがないので探索することにした。
 最初に見つけた水路の位置は
ここである。地図上の青い点線が地中を走っている導水路を示しているようである(時折地上に現れている部分については明確に表現していない。先日見つけた水路もまさにその通りである)。

 青い点線を北(上)へ辿って行くと、白石の辺りで板取川にぶつかっている。そこに取水口にがあると睨んで探しに行った。

 が、なかなか見つけることができない。

 最後は近所の小学生に河原への降り方を聞いて(国道からはちょっと離れている上、道もよくわからない)、やっと見つけることができた。

 地図には無い(道路マップにも国土地理院の地図にも)洞戸ダムというのがあった。取水口は写真の左、フェンスの下辺りに口を開けている。
 
 ここの入口門にある銘板には「洞戸ダム」と書かれていたのであるが、一般的にダムの定義は落差15m以上が必要らしいのである。洞戸ダムの場合、落差は数メートルであり、厳密にはダムではなく「提」になるらしい。そして提の場合には、いちいち地図には載らないようなのである。









 取水口から南へ下って行き、地中を走る導水路が最初に地上に姿を現すのが、以前のツーリングで見つけた位置(リンク地図の矢印のところ)である。

 ならば、次に姿を現すのは同様に谷間になった所、と目星をつけた。
 地図にある青い点線を南(下)へたどっていくと、洞戸栗洞の底津谷が怪しいのである。

 最初、北側の谷から探したが、どうしても導水路が見つからない。2回ほど土日の午後をつぶして探したが、何も無い(代わりに面白い林道を見つけた)。

 マピオンではラチが開かない、と思い国土地理院の2万5千分の1を見ると…

 どうやら導水路は南側の谷でのみ姿を現しているようなのである。
 
 北側の谷では「川の下を通る」と云う面白い事になっている。標高差を見ていると川底からさほど深いところを通っているとも思えず…。掘削中に崩落とかは無かったのだろうか?


 










 地図を頼りに行って見ると、谷の入口にはチェーンが張られ、立入禁止になっている。仕方が無いのでKDXはここで放棄、以後は徒歩で進むことにする。

 時はあたかも実りの秋。この辺りは餌を求めた熊が出没してもおかしくないのであるが、迂闊にも熊避け鈴を忘れて来てしまった。止む無く大声で独り言を云いながら歩く。
万が一、山菜取りや樵の親父に遭遇するととても恥ずかしいのである…



 歩くこと約10分、ついに導水路が姿を現した。感激のご対面である。思わず「あったっ!」と歓声を上げてしまったのはここだけの話である。



























 この後、再び地中に潜った導水路は洞戸発電所まで地上に姿を現す事は無い。
 それにしても、ここまでたどり着くのに1ヶ月くらいかかってしまった…


 左:洞戸発電所












        右:発電所上から落ちてくる導水管




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